FIREしたい夫

会社員をするのが辛すぎてFIREするためにいろいろやっていくブログ

ブラック企業はブラック部活から派生する

日本の労働環境は悪い。

 

あまりにも労働者の権利をないがしろにし過ぎている。

 

この劣悪な労働環境の原因の一つは、中学高校の部活動にあると私は考えている。


部活と企業の類似点

 

ブラック企業の働き方とブラック部活の活動はとてもよく似ている。

 

とにかく他の何を犠牲にしてでも、可能な限り自分の時間を捧げ、他のことは考えず、常に一生懸命に仕事や練習に取り組み続けることを強要されるのだ。

 

組織の中には独特のムラ社会が形成され、他人より楽することは許されず、とにかく時間と苦労を組織に捧げた者が偉いとされる。

 

目に見えた成果があるのであればなおよいが、無駄に時間をかけただけの練習や仕事も努力の成果として称賛される。

 

そして目に見えた成果を上げたとしても、他者と比べて捧げた時間や努力が足りないと判断されれば批判にさらされる。

 

何が言いたいかと言えばそのムラの中ではとにかく全力を尽くして努力し続けることが当たり前とされ、妥協を許さない空気がムラの中に蔓延しているのである。

 

そしてその空気が組織内の居心地を悪くしている。


本気で取り組むべきかどうか判断する

 

私は部活動を真っ向から否定したいわけではない。

 

全国大会を目指すような有名な学校の部活動であれば、たとえ自分の時間が無くなろうと、がんばって練習を続ける価値があるだろう。

 

それは利益を常に生み出し続ける優良企業の優秀な会社員が、より大きな利益を出すために一生懸命に働くことと同じだからだ。

 

しかし、
・県大会に進めるかどうかの弱小校が
・才能もない生徒たちを集めて
・生徒が本心では嫌がっているのに一生懸命朝から晩まで練習させて
・指導員は熱意はあるもののそのスポーツの素人で練習の方向も見当違い
・さんざんに青春の時間と労力を捧げたにもかかわらず、結局地区大会敗退
などという悲劇を繰り返すべきではないと考えている。

 

弱小校に所属し、進路の役に立つような成果が得られない見込みなのであれば、部活動などは放課後の息抜き程度に遊びてやって、余った時間を有効活用すべきだと思うのだ。

 

本気で部活動をやりたい人間は個人で大会に出場するなり、転校なりすればいいのである。

 

企業活動も同じである。

 

見込みのない事業、利益の出ない事業、無理がある事業を人手不足で無理やり回し続け、従業員に薄給、長時間残業(ただし残業手当は払われない)を強いている企業は、この弱小で成果が出る見込みのない部活に力を注ぎ続ける部活動に似ている。

 

何の成果も得られないとおおよそ分かっているのに、一生懸命続けることをムラの中で強要されるのである。

 

その結果、得られるものは何か。

 

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長い我慢の末に・・・ アルより転載


当然、何も得られないのである。

 

それどころが人生で大切な色々なものを失うことになる。


ブラック部活で失うもの

 

失うものは青春の楽しい思い出だけではない。

 

思い出以外にも、将来得られたはずの賃金や過ごしやすい労働環境を失うことになる。

部活に時間を費やし続けた結果、勉強時間や進路について考える時間が無くなるのは当然の帰結である。

 

そして本来勉強していれば受かったはずの高校、大学の受験に失敗、必然的に給料の低い企業に就職しやすくなる傾向になるだろう。

 

ちなみに私が所属していた部活の先輩方は3年生になっても一生懸命部活動に取り組んだ結果、結局大会成績も残せず、県内最底辺クラスの学校に進学したり、浪人したりするという結果になった。

 

彼らがその後どんな人生を歩んだかは分からないが、少なくともこの時点では周りの同級生たちと比べて、少々よくない状況であったことは言えると思う。

 

私がたまたまかも知れないが、大学卒業後に3年生の最後まで部活を続けたかつての同級生と再開すると、ニートやフリーターが多かった印象だ。


ブラック企業で失うもの

 

そしてブラック企業で失うものも上記とよく似ている。

 

自分の人生の大切な時間を大量に捧げ、健康を失い、自分のキャリアを失うのだ。

 

例えブラック企業に所属していたことが原因であったとしても、一度うつ病で倒れた人間を高給で雇ってくれる企業など珍しいと思う。

 

本来まともな企業に所属してさえいれば、まともな給料を得られ、人生を楽しむ時間があり、仕事が気に入らなくても転職してキャリアアップする機会があったはずなのに、その機会を失うことになる。


部活で培ってしまった悪い経験が労働環境を悪化させている

 

生産性の有無にかかわらず一生懸命仕事をすることを良しとさせる部活文化は、労働基準法と相反する精神だ。

 

部活動とは部というムラを発展させるためであれば、個人の権利はある程度ないがしろにしても問題はなく、むしろ個人は進んで自らの時間を捧げるべきという風潮が強くある。

 

この精神から考えれば、社員が残業代をきっちり請求したり、年休を取得したりといった、労働者の権利を行使することは、企業の活動を妨げる活動であり、ムラ社会の中では悪なのである。

 

社会人になっても休むことを悪とする部活の精神を持ったまま社会人になってしまう人が多いがゆえに、日本企業の年休取得率は低く、残業時間は長く、企業がブラック化してしまうのだと考える。


ただがむしゃらにやるのではなく

ブラック部活、ブラック企業に所属している人は、自分がやっていることを正義だと信じ込んでいる。

 

そのような人々は自分たちのムラから脱出使用とする人々を引き留めたり、見下したりする。

 

ここから出て行ってお前はやっていけるのかと。

 

何も考えずにムラの中でがむしゃらに仕事・練習していた方がマシだぞと。

 

ブラック部活やブラック企業に所属している人々は、おおよそその組織以外に所属したことが無いので、外にどのような仕事や部活があるか知らない。

 

ムラの外のことを知らない人にムラの外についてのアドバイスを聞いても役には立たない。

 

もし自分の状況に不満を持っているのならば、幸せになるためにはムラの外のことを自分なりに調べて、抜け出す勇気を持たなければならないと考える。

 

私も早く抜け出さなくては・・・