万年赤字企業の負のスパイラル
日本人の会社員というものはクビになりにくいよう雇用を法律でガチガチに保護されていながら、世界で一番会社を恨んでいるらしい。
解雇されにくいがゆえに新規採用も少なく、不満があったとしても現在勤めている会社に嫌々務めている人が多いからかもしれない。
私も多分に漏れずその一人である。
利益が出ない!!万年赤字!!
ここ数年私が所属しているこの会社は赤字続きである。
あまりにも赤字が続きすぎて会社としての存在価値が危うい。
一時的に赤字を出していても、将来的に黒字になるような投資を行っているのであれば仕方ないかもしれないが、私の会社はそうではない。
例年会社の事業の失敗による赤字であり、何の生産性もない。
利益が出ていないから給料が下がっていく
私が勤める会社では、利益が出ていないので当然賞与は求人票通りには支給されない。
最後に満額支給されたにはいつだったか、もはや記憶が定かではない。
毎年賞与の削減が会社から申し入れられるのは恒例行事と化している。
今年も賞与が大幅に削減されることが既に申し入れられている。
一般社員はまだ賞与の削減だけで済んでいるが、幹部職は月給のほうも大幅に削減されており、残業代も出ないのでさらに悲惨な状況である。
利益が出ていないのでクソ案件ばかり受注する
お金がある人にはお金が集まるというが、利益を出せないクソ企業には、取引先から足元を見られたクソ案件が集まってくる。
受注した時点で赤字が確定していたり、無理なコストダウン計画や、現状の人員を無視した無理な工程が前提とされていたりだ。
そのようなクソ案件は従業員のモチベーションを著しく下げる。
死ぬほど大変なのに、完遂しても赤字にしかならない、利益に貢献しない。
完遂したとしても無理に押し付けられたコストダウンや工程は達成することができず、会社からは責任を追及される。
このような状況では社員は最初からやる気をなくし、適当に仕事をこなすだけにる。
最悪の場合、その士気の低さと無理な計画からミスが発生し、案件の利益率はさらに悪化することになる。
士気が低い状態で無理やり仕事を続けても、能率はなかなか上がらないのは当然だ。
利益が出ていないので借金漬けとなり、利益率がさらに悪化する。
私が勤める会社は毎年赤字なので、銀行からお金を借り続けている。
貸付残高が多くなっていくほどに当然のことながら銀行は金利を上げてくる。
一生懸命仕事をして利益を上げたとしても、その利益はこれまでのツケとして銀行に吸い上げられるので、そもそも利益が出しにくい体質になってしまう。
利益が出ていないので従業員を雇わず、常に人手不足気味
多くの企業にも共通して言えることかもしれないが、人手は常に不足した状態で仕事に取り組むことを強いられる。
毎日夜まで仕事をさせることは当たり前で、休日出勤や徹夜勤務を強いられる。
休日出勤の振り替え休日は取れなくもないが、その分本来とれたはずの年休が消滅するため、実質年休を会社に寄付し続けている状態である。
社員は自分の仕事で精一杯なので、技術伝承がうまくいかず、社員は育つ前に会社を去っていくか、精神を病んで休職する。
社員がどんどん消えていくので、残った社員の業務負担はさらに悪化し、職場の雰囲気はどんどん悪くなっていく。
成果を上げても給料に反映されない
私が勤める会社には社長表彰という制度があるが、はっきり言って社員の士気の向上には全く役に立っていない。
そもそも額が少なすぎることと、ただでさえ少ない報奨金をプロジェクトに関わった全員で分けるので、一人当たり数千円にしかならないこと。
最近は新型コロナウイルスのために少なくはなったが、最悪のケースではその表彰金を原資に飲み会が開催され、お金を貰えるどころか、逆に宴会費用の不足分を払わされるケースもあった。
また、そもそもこのような表彰を受けるかどうかは、優良案件を受けるかどうかに係っているため、社員の士気の向上には全く寄与しないと言える。
成果を上げた報酬と言えば上記賞金のほか、賞与の増額があるが、こちらもわずかばかりの金額であり、はっきり言って残業を数時間すれば稼げてしまう金額なので、これを狙うよりはだらだら残業した方が遥かに現実的である。
出世しやすくなるという報酬もあるが、最近あまりにも赤字が続きすぎて幹部職の待遇が悪化の一途をたどっているため、幹部職になりたくない若手であふれている惨状である。
金銭面以外でいえば、皆から信頼され、頼られるということがメリットと言えなくもないが、正直言って仕事が増えるだけなので私から見ればメリットとは全く言えない。
タフで仕事を何でもこなす人と認識されて幹部職に上がってしまえば、次々と難題を押し付けられて、死ぬほど残業しているのに給料はしょぼいという地獄に叩き落されることになる。
ということで、私が勤めている会社で一生懸命仕事をこなしたとしても、基本的にメリットは何もない。
クビにならない程度に仕事をこなし続けることが最も効率的な働き方になる。
そしてこんな考え方をする社員が多い会社が今後成長するかと言われれば、私はNOだと考える。
利益を出せない会社の負のスパイラル
会社の利益はとても大事である。
利益が出ない会社はお金だけでなく、優秀な人員も、社員の士気も、業務効率も、社員の休日も、会社の良い雰囲気も、ありとあらゆるものを失っていくことになる。
私が今務める会社は、赤字が数年続き、賞与が数年削減され続けた影響から、もはやその負のスパイラルから抜け出せなくなっている状況だ。
早く抜け出さなくては、人生ごとそのスパイラルに飲み込まれることになるだろう。
そうならないために、私はFIREを含むありとあらゆる手段を模索する。